Kalamazoo　ＶＳ　Nashville

ここでは同時期に作られた'82 Leo's Vintage Kalamazooと'83 Leo'sVintage Nahivilleを比較することで
Kalamazoope製とNashiville製の違いについて検証を行った。




Kalamazoo Made Leo'sVintage

Nashville Made Leo'sVintage

　　　　　　　　

Fig-1ヘッド表面

左がKalamazoo製Leo'sVintage、右がNashville製Leo'sVintage。　Gibsonロゴの位置がヘッドの上限に入れられているのがLeo'sVintageの特長であり、KalamazooとNashvillとも同じ位置であるが、LesPaulのサイン位置はNashville製の方がやや低い。

Kalamazoo製のLes Paulサインはクリア塗装をしてから最後にシルクスクリーンで入れられるため、ゴールドのインキが酸化して暗くなっている。そのため、あまり磨くと文字が消えてしまう。
それに対してNashville製はシルクスクリーンを入れてからクリアーでフィニッシュするため、時間が経過してもゴールドのインキが色褪せない。

Kalamazoo製のペグはビンテージ風のブッシュだだが、Nashville製はロックタイプのペグを使っている。




Kalamazoo Made Leo'sVintage

Nashville Made Leo'sVintage

　

Fig-2ヘッド裏面

左がKalamazoo、右がNashville。　ヘッドからネックへとつながる部分は、Kalamazoo製の方はエッジが立っており、Nashvillの方は角が落とされて演奏性が良い。また、Kalamazoo製は塗装の厚みが不均一で極端に薄いところが有り、仕事が雑である。

シリアルナンバー　Kalamazoo= L 1 ****に対し、Nashville= L I ****となっており、1と I の違いがある。これはNashavillのスタッフが、1981年の1と Leos Instroment のIを勘違いした可能性も有る。

また、Nashville製にはNIHON GIBSONのステッカーが貼られており、Re-issueを台無しにしている。ステッカーを無理に剥がそうとすると下地の塗装までもが剥がれてしまうため、ギブソンの歴史として残している。




Kalamazoo Made Leo'sVintage

Nashville Made Leo'sVintage

Fig-3ヒール

左がKalamazoo、右がNashville。
Kalamazoo製はオリジナルレスポールと同様カマボコ型をしているが、Nashville製は潰れた供え餅形状をしている。特に画像でも解るようにネックの付け根部分が深く削り込まれており、演奏性寄与している。



Fig-3サイドボジションマーク

上がNashville、下がKalamazooである。
Kalamazooがオールドレスポール同様大きめのボジションマーク使い続けてきたが、Nashvilleへ移管してからはボジションマークは小さくなってしまった。(通称ゴマポジと呼ばれている。)

Fig-4ネックのジョイント位置

上がKalamazoo、下がNashvilleである。
Kalamazooのネックとボディーの取り付け位置が16フレットより下の部分であるが、Nashvilleは16フレットとの中心に取り付け位置がある。


Fig-5ボディーの長さ

テールピースエンドからボディトップエンドまで、Kalamazooが153mm、Nashvilleが150mmと、Kalamazooの方が長い。
ほんの少しの差だが、見た目には大きく違い、Kalamazooの方がオリジナルレスポールに近い。

Fig-6トップのカーブ

レスポール用のトップに使われたテンプレートは同様の形状だが、サンディングの際にKalamazooはトップをけ削りすぎてしまうため、仕上がりが平面的であるのに対し、Nashvillはトップを削り落とさないよう均一にサンディングされている。　そのためトップのカーブはNashvillの方がオリジナル風に立体的に仕上がっている。　テールピースの左下辺りを見て頂くと光の反射の具合で確認でき、この辺りの拘りはNashvillの方が優れている。
総評

Kalamazoo製の方がオリジナルレスポールを世に出した工場としてのプレミア感と昔からの材、サイドポジション等に魅かれるが、再現しようと言う開発威力はNashvillの方が感じられ、優劣つけがたい。

見分け方のまとめ

Kalamazoo Nashville
シリアルナンバー 　 　　　　　　　　　　　　　　　 8 0 4 5　2　1　 21
　　　　　　　　　　　　　　　　 ①　 ②　 ③ ④　⑤　
①と③で82年。②は45日目。④の数値が0～4がカラマズー5～9がナッシュビル製。⑤はその日の本数。　
従ってこのシリアルからは、1982年2月14日の21本目にカラマズーで作られた事が解る。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　※但し、この付け方は、'75～'84年まで。
カラマズーが閉鎖された現在は、④の数値が0～2がモンタナ、3～9がナッシュビルとなっている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 90 4 52　
　　　　　　　　　　　　　　　　 　①　　②　 　
リイシュー及び限定生産にはオリジナル風の５桁のシリアルが使われているがこのシリアルは機種によって異なるため正確な製作情報は得られない。
ダブルシリアル ヘッドの６桁シリアル＋ポットキャビィティーの淵に、詳細が解る８桁シリアルが打たれていた。 ナッシュビル製にはダブルシリアルは無いが、ポットキャビティーの底にSept 8 1981のようなスタンプが打たれている場合がある。
　　ネックのジョイント位置

Leo'sVintageによる比較だが、KMはオリジナルや99Histと同じ位置である。
キャビティールーティング タイトな仕上げで、余分な切削が少ない。 ラフな仕上げで、空洞部が多い。
また、サインや記号が多く入れられている。
"LesPaul" ヘッドロゴ オリジナル同様、ヘッドの金文字"LesPaul"ロゴが、クリア仕上げの後からシルクスクリーンで入れられている。そのため、きつく磨くと消えてしまう。 "LesPaul"ロゴを入れてからクリア仕上げされているため、磨いても消えることが無く、古くなっても輝きが落ちない。
サイドボジションマーク
  オールドレスポール同様大きめのボジションマーク  
　ゴマポジと呼ばれる小さなボジションマーク
 ヒールの形状  供え餅のような円形  
　横長の円形
 シリアルの形状  頭文字が　LI  
　頭文字がL1